FX

最善のものを希望せよ。しかし最悪のものに備えよ。

~ ちょっと見は簡単なのですが ~

“外国為替証拠金取引”という和名のFX、一時期の博打的なイメージより、最近は少し落ち着いて、そこそこ浸透してきたような気もしますが、こと資産運用先としては、特に初心者は少しずつ慎重に始めることをおすすめします。

何を売買しているのかというと、業者によって取り扱っている通貨は違いますが、要は外貨です。ただ外貨預金のように単純にドルを買う、といった取引ではなく、「ドルを買って円を売る」というドルと円を交換する取引を行います。・・・同じじゃないかって?ここまでならほとんど同じです。

外貨預金は外貨を買うことしかできません。が、FXは手元にドルがなくても、「ドルを売って円を買う」という取引を行うこともできます。あとで反対の売買を行って為替差金をねらう取引なので、そういう仕組なのです・・・ぶっちゃけ私も、正しい理論は詳しく知りません。「外貨を買う」ということしか考えなければ、難しい理論は知らなくてもなんとかなります。業者に提示された為替レートで外貨を買って、その後売って利益を狙うだけです。

~ 実際は大金を取引しています ~

FXが証拠金取引たる由縁は、いわゆるレバレッジをかけることができることにあります。外貨預金なら手持ちの円でドルを買うわけで、持っている円の分だけしかドルを買えません。が、FXの業者に預けた証拠金が100万円だとしたら、レバレッジ10倍ならその100万円の元手で1,000万円分のドルを買えてしまうわけです。

計算がめんどくさいので、現金100万円なら10,000ドルを買えるときに、証拠金100万円で100,000ドルを買ったとしましょう(為替レート 1ドル=100円、レバレッジ10倍ということです)。為替レートが円安に振れて1ドル=105円になり、その時100,000ドルを円に戻すと10,500,000円ということになり、レバレッジをかけた元手の1,000万円に対する利益の50万円がもらえます。元手100万円が、5%の円安で150万円になってしまうわけです。もし1ドル=110円になれば、同じ理屈で利益は100万円になります。あらステキ。

では円高に振れたらどうなるでしょうか?

上の例で1ドル=90円になると、100,000ドルは9,000,000円になり、レバレッジをかけた元手1,000万円に対する損は100万円となり、本当の元手の100万円はゼロになります。恐ろしいですね。でももっと恐ろしいのは、更に円高になったときです。

~ 知らないと大変なことになりますよ ~

1ドル=80円になったとしましょう。この場合の損は200万円です。おや、元手の100万円を超えてしまいました。こうなると「追証」がかかります。要するに、足りない100万円を支払わなければならないのです。恐ろしいですね~。払えないとどうなるのでしょうか?そんな目にあったことがないのでわかりませんが、多分訴えられます。

これこそ、良くも悪くも証拠金取引の特徴です。勝っているときはいいのですが、負けるとひどいことになります。だからこそ、仕組みをよく知らずに始めてはいけません。まずは勉強です。私も正確な理論は難しすぎて未だによくわかっていませんが、「どうなったらどれだけの損が出る」ということだけは理解してから始めました。初心者は少しずつ慎重に始めて、徐々に経験値を上げていくことを強くオススメします。