預金

ひとえに風の前の塵に同じ

~ ローリスクだからローリターン ~

資産運用として預金を考えてはいけません。以上。・・・と言ってしまうとそれまでなので、投資先としての貯金を考察します。

いいところは流動性です。必要になればすぐに取り出せる(定期の場合はロックされますが)。それと安全性です。当たり前ですが日々の価格変動はなく、預けた金融機関(要するに銀行)に何かあっても「ペイオフ」で1,000万円までは保護されます。リスクはほぼゼロと言っていいでしょう。

投資の世界は、基本的にはハイリスク・ハイリターンか、ローリスク・ローリターンのどちらかです。ローリスク・ハイリターンをうたうものはインチキ商品であり、ハイリスク・ローリターンのものは淘汰されるので存在しません。貯金はローリスクのため、当然ローリターンなのです。いや、私の感覚ではゼロリターンなのです。

~ 実質、ゼロリターン ~

1,000万円貯金しているとしましょう。例としてみずほ銀行の金利は、普通預金が0.001%、300万円以上の定期預金が0.002%となっています(R4.5.8現在)。なんと1ヶ月定期も10年定期も0.002%です。ということは、1年後の利息は200円。10年定期だと10年後に10,002,000円になります。200円✕10=2,000円で、複利計算になってないのではないか?という疑問がありますが、複利分は端数で消えているだけで、1円にもなりません。10年預けて2,000円。これは資産運用としては、イコールゼロです。

ネット銀行の場合。住信SBIネット銀行(おなじく5/8現在)では普通預金が0.001%でみずほ銀行と同じ、定期預金は1ヶ月~5年で0.02%となっています。なんと都市銀行の10倍です。すると10年後は(正確には10年複利ではなく5年なので、微妙に違いますけど、誤差です。)1千万円が10,020,000円になります。 10年預けて2万円。これも運用としてはゼロと同じです・・・

~ 家においておくと物騒なので、預けるだけ ~

結論。銀行預金は、安全ではあるけれども利息はゼロです。よって資産運用先の候補にはなりません。もちろん、全財産を投資に回すわけにはいかないので、いざという時の現金は必要です。その分の現金は預金として持っておきますが、それ以外の資産運用としては、普段使う銀行の口座は、現金を証券会社など他の口座に移すまでの仮置場と考えましょう。まちがっても通帳の金額が増えていくのを見て、貯金できてると喜んだりしないように。