ドルコスト平均法は万能か?
つみたてNISA(に限ったことではないですが、定期積立全般)のメリットとして、「ドルコスト平均法」がよく取り上げられます。つみたてNISAの説明のHPなどでもこれについてしばしば解説されており、ウリの一つになっているようです。でも本当にそうでしょうか?
ドルコスト平均法について詳しく解説はしませんが、ザックリ言うと「価格が安いときに多く買い、高いときには少なく買う。結果として、購入単価を”ならす”ことができる。」というものです。よくグラフなどと一緒に解説されているので、詳しく知りたい場合は適当に検索してください。いくらでも出てきます。で、その理論は間違いではないのですが、私としては諸手を挙げて賛成はできません。
資産運用としてつみたてNISAを利用する場合、多くの方はインデックスファンドを選択するのではないかと思います。これもまた長期投資向きの商品ですから、一見するとつみたてNISAととても親和性があるように思えます。しかし、インデックスファンドを購入する場合の考え方は、「市場全体の拡大に期待して、それに応じた利益を狙う」というものでしょう。とすると、投資家が期待しているのは「右上がりのグラフ」のはずです。
右上がりのグラフなら、どこで買うのが一番有利か。価格が安いときにまとめて買うのがいいに決まっています。毎月買っていくということは、どんどん高いところを買っていくことであり、取得平均値を上げていくことになります。これは全く不利な購入の仕方であり、インデックスファンドを買う期待(右上がり)と矛盾しているように思います。
分けて買うのはいいけれど、定期じゃないよ
とはいえ、どこが底なのかはわかるはずはないので、一気に購入するのは無謀です。グラフを見ながら、なんとなくでも安くなってきたころに、少しずつ買っていく。結果として取得平均値が上がっていくかもしれませんが、そのほうが定期積立よりマシな結果になるのではないかと思っています。
ではドルコスト平均法の理論が間違っているのか?いえ、これの理論は正しいと思います。これが有効に機能するのは、「上がったり下がったりの横向きのグラフ」のときではないかと思うのです。このような場合は、いろいろな解説HPがいうように、「平均値をならす」ことが期待できると思います。
要するに、初心者の方にとってはまずまず有効ではないかということです。私なら、ジグザグで下がってきた頃に多めに買っていくと思いますし、少なくともそうしようと努力すると思います。