保険について 2

商品を複雑にして理解できないようにして、お客を騙すのは金融業界の常套手段である。

~ 外交さんの言う事を信じてはいけない ~

前回の保険の続き。今回は資産運用の観点から。

とあるデータによると、日本の家計の金融資産の内訳は、54%が現金預金で、保険・年金等が28%、とあります。私は無保険なのですが(年金はiDeCoはやってますが、海外株式100%なので、年金というより外国株の積立のイメージで加入しています。)、保険を投資先として考える場合、少し慎重になったほうがいいと思います。

保険の外交さんの決まり文句として、「貯金にもなりますから」というものがあります。満期の返戻金のことを言っているのでしょうが、私は保険を資産として考える気にはなりません。A銀行とB銀行の定期預金のどちらがいいか比べる時、ロックされる期間とか金利とか、同じものを比較するはずです。では定期預金と生命保険はどうやって比べましょう?

予定利率というものの存在を知っていればこれを銀行の利息と比較すればいいのですが、多くの人はそんなもの知らずに保険に加入しているのではないでしょうか。昔は外交さんに聞いても、若い人は答えられなかったことがほとんどでした。しかし予定利率がわかったとしても、保険がついているのだからそれにかかる手数料をとっているはずです。株式なら1回の取引の手数料は明確ですが、保険契約の手数料っていくら取られているのでしょう??

~ 保険というものは、わかりにくく作られている ~

要するに、保険というものを貯金としてとらえようとすると、他の金融資産と比べて何が有利で何が不利なのか、とても比較しにくいのです。仕組みが複雑だからです。

冒頭の言葉は、某金融系の記事に書かれていた一文ですが、けだし名言だと思います。

保険というものはいろいろな特約があったり、さまざまな運用上のルールがあったりと、とても複雑に出来上がっています。そしてパンフレットには、お客の目につくところにはうまく行ったときのことが書かれており、お客の不利になることは小さい注意書きとして書かれているのです。

保険がすべてインチキ商品だと言うつもりはありませんが、いわゆる貯蓄型の保険については、その多くは「複雑に仕上げてお客を騙そうとしている」ようにしか思えません。

最近は、外貨建ての運用を絡めたり、いろいろな保険(特約)に対応したりと、ますます保険は複雑になっています。資産として保険を検討する場合、他の金融資産との比較がとても難しいです。資産として考えるものは、できるだけシンプルなものの方がいい、というのが私の考えです。