分散投資

卵を一つのかごに盛らないで

~ 分散こそ投資の基本ぞかし ~

分散投資ということはどんな本にも書いている投資のイロハのイです。最近、「集中投資」をうたう本を目にするようになってきた気がしますが、書いた人はよほどの天賦の才があったか、そうでなければたまたまうまく行っただけのことで、一般の人は絶対に真似をしてはいけません。

よく言われるのは銘柄の分散です。A社の株だけを買うのではなく、B社、C社といった複数の会社の株を買いましょう、というやつ。根拠は、どれかの株が下がっても他の株でカバーできる、ということで、要はリスクを平準化しようという狙いです。あたりまえですが相場全体が下げるようなときは結局どれも下がるので分散していても下がるものは下がります。どれか一つだけが大きく下がるようなことがあっても、それほどでもない他の株と平均すれば損失は少なくなる、といった考え方です。

しかしこれをするためには、個別の銘柄をいくつも買わなければなりません。とすると結構な金額が必要になってくるので、投資を始めたばかりの頃には少し敷居が高く感じるかもしれません。

だから投資信託(もしくはETF)を選ぶのです。この手のものはいわば「分散したものを買っている」ようなものなので、個別の銘柄を買うときのように分散を考慮する必要がなく、しかも比較的少額から始めることができます。もっとも、投資信託にも様々なものがあり、特定のテーマで設定されたようなものは銘柄の分散になっていないので、指数連動型のものがいいと思います。

~ 個別もいいけど、とにかく分散 ~

初めて株を買うとワクワクします。個別の銘柄を買うと会社から決算報告書が送られてきたり、配当金の計算書や株主優待が届いたりと、なんとなく「株主」というステータスを手に入れた優越感のようなものを感じます。株価の上げ下げを体験すればその会社に愛着のようなものも感じるでしょう。それにくらべると、特にインデックスファンドのようなものは地味です。個別の会社の株主になった感覚もなく、値動きも日経平均やTOPIXに併せて上げ下げしているだけなので。しかし分散投資ということを考えると、とても有効だと思います。日経平均やTOPIXを構成する銘柄をちょっとずつ買っているようなものですから。

しかし資金さえあれば、個別の銘柄をいくつか選ぶのも悪くはありません。選択に少々経験やセンスが必要かもしれませんが。その場合でもとにかく、特定の会社の株だけに集中することはやめましょう。その会社の業績が悪化すれば、あなたの資産も大きなダメージを受けてしまいます。