分散投資 3

~ 分けて買うべし ~

銘柄の分散、投資先の分散に続き、これまた非常に重要な投資の基本は、「一気に買わない」ということです。すなわち買うタイミングを分散するということです。これはと思う銘柄を見つけたならば、チャートのタイミングを見つつ、最初は少しだけ買うのです。例えば投資信託を100万円分買うとして、いきなり100万円全部で買ってはいけません。たとえば1万円分だけ買って、その後様子を見ながら2万円とか10万円とかを追加で買っていくのです。100万円で1万円ずつ買っていくと100回なので毎日買っても5ヶ月ぐらいかかるので、あまりに長期に感じるなら2~10万円ずつにしてもいいですが、とにかくドカンと投入してはいけません。

一気に全額投入して、上がればいいですが、下がったときには損切をするか、塩漬けにするしかなくなります。少しずつ買っていれば、下がったときに追加で買えばどんどん取得価格が下がっていくのです。できればチャートが右下がりのときに買い続けられればいいのですが、ある程度の上下があったとしても、下がったと思うタイミングを見ながら少しずつ買っていきましょう。

~ 大底は、追いかけても逃げていく月のよう ~

チャートが右下がりのときに少しずつ買っていくと、当然、一番安い価格では買えません。「もっと待っていればもっと安く買えたじゃないか」と思うかもしれませんが、そのようなことはバカげた発想です。いつが最安値かなど、神様ならともかく、我々では予測することはできません。狙ったところで当たるワケがないのです。だからこそ少しずつ買っていって、全体で平均すればなんとなく安い感じで買えたならば上出来なのです。

逆に、少しずつ買っていったとき、相場が急騰してしまい、予定の100万円分を買えなかった、ということも起こりえます。そのときも「さっさと買っておけばよかったのに、もう高すぎて買えないよ」と思ってはいけません。結果として予定の額を買えなかったかもしれませんが、買ったものが上がって含み益が出ているのですから、それで満足するべきです。うまく行ったと喜べばいいのです。そのうち、またチャンスが来ます。

~ 証券会社に相談だけはダメ絶対 ~

ちなみにこの手のことを証券会社や銀行の営業さんに相談することは、絶対にやってはいけないことです。彼らはお客の資産が増えようが減ろうがどうでもいいのです。彼らの利益はお客が払う手数料なのですから、我々とは考えることが違うのです。例えば、まとめて買う1回分の手数料より10回分の手数料のほうが多くなるなら分割を勧めてくるでしょうし、金額的に100万円✕1回分の手数料の方が1万円✕100回分より高くなるなら一括購入を勧めるでしょう。あるいは、相場が上がっていくと途中で購入をストップしそうな客であれば一括購入を勧めるかもしれません。

彼らは我々のために仕事をしているのではありません。会社のため、もしくは自分の成績のために働いているのです。それが悪いことだとは思いませんが、彼らに相談しても彼らに都合の良いアドバイスしかしてくれませんから、絶対に彼らに相談してはいけません。